Biz-Terrace.ai 第5回(2026-09-29)のハンズオンを元にした教科書です。当日のワークは「1 借りる」と「2 直す」(直して自分の型にする)、持ち帰ってからは 3・4 へ。 Biz-Terrace.ai のサイトへ

Skills 教科書

借りて、直して、作って、
最後は呼ばずに使う。

Skill(型)は、AIに渡す仕事のマニュアルです。4つの段階を順に進みます。各段階の手順は、チャットAIと Agent(Claude Code・Codex)の両方を並べて載せています。

  • 所要時間借りる 15分 / 作って自動で呼ぶまで 30〜60分
  • 必要なものいつものAI。チャットAIでも、Claude Code・Codex でも
  • 入れてよい資料公開資料かダミーデータ。業務の資料は、会社で許可されたAIにだけ
使い方

段階は4つ。1〜3は型を毎回渡し、4では渡さない。

借りる→直す→作る→自動で呼ぶ

当日のワークは「1 借りる」と、借りた型を直して自分用に書き出す「2 直す」です。合う型がなければ「3 作る」へ進み、作った型を「4 自動で呼ぶ」で置いておくと、次からは型の名前を言わなくても使われます。

使っているAIで、手順が2通りに分かれる

チャットAI

ブラウザのチャット画面で使っている

ChatGPT・Microsoft Copilot・Gemini・Claude アプリなど。型はリンク1本で渡し、読めなければファイルか本文で渡します。

Agent

パソコンのフォルダやファイルを直接扱う

Claude Code・Codex など。型のリンクを渡せば自分で取りに行き、最後は決まった場所に置くだけです。

段階チャットAIAgent
1 借りる型のリンクを1本貼る(読めなければ添付・本文)型のリンクを1本渡す
2 直す依頼文に1行足すSKILL.md を直させる
3 作る「今のをSkillにして」と頼み、保存しておく保存まで頼む
4 自動で呼ぶGPT・Gem・Copilot のエージェントなど、いつもの置き場に入れるskills フォルダに置く。名前を言わずに呼ばれる
段階 1 / 当日のワーク

借りる:公開されている型を、いつものAIで1回動かす。

所要時間15分
前提リンクを読めるか、ファイルを添付できるAI。Agent なら作業フォルダ
到達点型に書かれた手順どおりの形で、資料が返ってくる

AIに渡すのは 型・資料・依頼文 の3つです。型を渡さずに資料だけ送ると、ふつうの要約が返ってきます。ここでは第5回の型 HTML Visualizer と、架空の議事メモで試します。

  1. 型のリンクと依頼文を送る

    型のリンクは1本です。リンク先の案内に、AIが読むファイルが書いてあります。

    チャットAI:そのまま貼る(型・資料・依頼文)
    https://github.com/yamamonlab/html-visualizer
    このSkillを使って、次の資料を完全版のHTMLにしてください。
    https://raw.githubusercontent.com/yamamonlab/html-visualizer/main/examples/sample-document.md
    Agent:作業フォルダで送る
    https://github.com/yamamonlab/html-visualizer
    このSkillを使って、examples/sample-document.md を完全版のHTMLにしてください。HTMLファイルで保存してください。

    自分の資料で試すときは、資料のリンクの代わりにファイルを添付し、「次の資料」を「添付の資料」にします。「完全版」を入れると、AIが途中で省いた簡略版を出しにくくなります。

  2. リンクで読めないときは、型を渡し直す

    チャットAI

    ファイルで添付するか、本文を貼る

    1. ファイルで添付:手順ガイドの「型を1つのファイルで保存」。Copilot は「.txt で保存(Copilot 向け)」で保存して添付が確実
    2. 本文を貼る:手順ガイドの「型の本文をまとめてコピー」。約4万字あるので、入力上限に当たったら添付へ
    Agent

    手元に取ってから頼む

    1. ZIP でダウンロードして展開する
    2. 展開したフォルダで Agent を起動し、「このフォルダの Skill を使って」と頼む

    チャットAIでHTML がコードのまま出たら:ChatGPT は同じ会話で「キャンバスで開いてプレビューして」と送ります。Gemini は入力欄の Canvas をオンにして送り直します。それでも画面が出なければ、完成例で結果を確かめます(直す・自分の型にするは、文面だけでも進められます)。ファイルのリンクだけ返ってきたら、保存してダブルクリックで開きます。Agent は保存された HTML ファイルをブラウザで開きます。

  3. 結果を確かめる

    到達点

    • 先頭だけで「何の資料で、今どういう状態か」が分かる
    • 数値が原文の書き方のまま
    • 原文にない推奨・担当・日付が足されていない

    見本: 当日の完成例(同じ型・同じ資料で作ったもの)

段階 2 / 当日のワーク

直す:判断の基準を1か所だけ、自社のやり方に書き換える。

所要時間10分
前提段階1が終わっていること
到達点同じ資料・同じ依頼でも、書き換えた所だけが自社のやり方に変わる

借りた型は、そのままでは自社のやり方と少し違うことがあります。変えるのは型の中の1行だけで、ほかの行はそのままにします。

当日のワーク(第5回):直して、自分の型にする。借りたときと同じ会話で続けます。白紙から型を作るのではなく、今日の型を土台に1か所だけ直し、その変更を自分用の Skill として書き出してもらいます。
1通目:1か所だけ直す(「変える所」は下の例から1つ、または自分の職場のやり方に替える)
このSkillの決まりを1か所だけ変えて、同じ資料をもう一度HTMLにしてください。
変える所:冒頭の一覧を「結論/影響/次に決める論点」の3列にする。
  • A 冒頭の一覧を「結論/影響/次に決める論点」の3列にする
  • B まだ分かっていないことの表を、末尾ではなく冒頭の一覧のすぐ下に置く
  • C 図やグラフは使わず、表と文章だけにする
2通目:出し直した画面を見てから、自分用の型にしてもらう
今の変更を入れた、自分用のSkillを作ってください。html-visualizer を土台にして、SKILL.md には名前・いつ使うか・元の型から変えた所だけを書いてください。

見るのは2つです。変えた所だけが変わり、ほかの情報が減っていないか。「いつ使うか」が自分の場面で書けているか。「いつ使うか」は、Skills に対応した環境でAIが自分で型を選ぶための一行で、GPTs や Gems の指示文との違いです。全文を書き直させないのは、型が参考ファイルまで含めて約4万字あり、チャットAIでは途中で切れるためです。「土台+変えた所」は、社内の公認の型からチーム用の型を作るときと同じ形です。

次に使うとき。出てきた型はメモに保存しておきます。次に使うときは、新しい会話の1通目に、元の型のリンクと自分用の型を一緒に貼ります(自分用の型だけでは動きません)。

会話が切れたときは、借りる3行の2行目の最後に『ただし、冒頭の一覧を「結論/影響/次に決める論点」の3列にしてください。』を足して1回で送り、そのあと2通目を送ります。時間が足りないときは、借りた会話で次の1文だけ送ります。

時間が足りないとき:この1文だけ送る(直す中身を含めてある)
html-visualizer を土台に、冒頭の一覧を「結論/影響/次に決める論点」の3列にする変更を入れた、自分用のSkillを作ってください。SKILL.md には名前・いつ使うか・元の型から変えた所だけを書いてください。
  1. 直し方を選ぶ

    チャットAI

    その回だけ/ずっと

    1. その回だけ:依頼文の後ろに1行足す(下をコピー)
    2. ずっと:保存した型のファイルの該当行を書き換えて、それを渡す
    Agent

    型そのものを直させる

    1. 直したい型のフォルダ(登録済みなら ~/.claude/skills/<名前>/)で、「SKILL.md の冒頭の一覧の列を、結論 / 影響 / 次に決める論点 に直して」と頼む
    2. 直した後の差分を見て、1か所だけ変わったか確かめる
  2. 段階1と同じ資料で送る

    その回だけ:依頼文の後ろに足す1行
    ただし、冒頭の状況の一覧は、次のようにしてください。列を「結論 / 影響 / 次に決める論点」の3つにする。この順で。原文にない論点は書かない。
  3. 書き換える前と比べる

    到達点

    • 冒頭の一覧が、書き換えたとおりに変わっている
    • ほかの所と、元の情報は減っていない
    • 原文にない結論やおすすめが足されていない

    見本: 書き換える前 / 書き換えた後

1回に1か所だけ変えて、前と比べます。何か所も同時に変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。
段階 3 / 合う型がなければ

作る:いつもの仕事のあとに「今のを Skill にして」と頼む。

所要時間10〜15分
前提AIと一仕事した直後の会話
到達点自分用の型ができ、次の会話でも同じ形で返ってくる

白紙から書き始めるのはおすすめしません。いつも通りAIとやり取りして、うまくいった直後に、その進め方を型にしてもらいます。

  1. いつもの仕事を、AIと1回やる

    自分の仕事で「毎回同じ形で頼んでいること」を1つ選び、いつも通りやり取りします。出てきた答えに「宿題は表にして」のように注文をつけて直してもらいます。この注文が、型の中身になります。

  2. 同じ会話のまま、型にしてもらう

    頼む文(そのまま使える)
    今やった一連の作業を、別の仕事でも同じ品質で再現できるように、手順・判断基準・出力形式をまとめたSkill(SKILL.md)にしてください。今回の具体的な社名や数値などの固有名詞は除外し、どの業務でも使える一般的な手順にしてください。先頭は --- の行で挟み、その間に name(英小文字とハイフンの名前)と description(いつ使うか・使わないかの説明)を書いてください。本文は「やってはいけないこと」「進める順番」の見出しで書いてください。
    「固有名詞は除外して」がポイントです。抜かないと、その案件専用のマニュアルになり、別の仕事で使えません。
  3. 引き算する

    出てきた型から、AIが元からできることは消します。

    消してよいもの

    丁寧に書く/分かりやすく/正確に、のような、どのAIも元からやること

    残すもの

    宿題には必ず担当と期限を書く/分からないところは「記載なし」、のような、自分の職場の決まり

  4. 保存する

    チャットAI

    保存して、次の1通目に貼る

    1. 本文をテキストで保存する(OneNote・Teams のピン留め・共有フォルダ)
    2. 次に同じ仕事をするとき、会話の1通目に貼る
    3. 毎回貼るのが手間なら、段階4の「いつもの置き場」へ
    Agent

    保存まで頼む

    1. 上の文の最後に「~/.claude/skills/<名前>/SKILL.md に保存して」と足す(Codex は ~/.agents/skills/<名前>/)
    2. 書き込みの許可を聞かれたら、保存先を確かめて許可する
    3. Claude Code は /reload-skills、Codex は再起動。これで段階4の登録まで済む

    到達点

    • 型の先頭が --- で挟まれ、その間に name と description(いつ使うか・使わないか)がある
    • 本文に「やってはいけないこと」「進める順番」があり、社名や数値などの固有名詞が残っていない
    • 新しい会話で同じ仕事を頼むと、前回と同じ形で返ってくる
作った型は、使う前に試して比べます。同じ資料を、型なしと型ありで1回ずつ頼み、狙った形に近づいたかを見ます。足りないところだけを書き足します。
段階 4 / 本来の使い方

自動で呼ぶ:型を置いておけば、AIが選ぶ。

所要時間10〜20分
前提段階3で作った型(または借りた型)
到達点型の名前を言わずに頼んでも、合う型が使われる

Skills に対応した環境(Claude Code・Codex・Claude アプリなど)では、AIは置いてある型の名前と説明だけを先に読み、依頼に合う型の本文だけを開きます。だから型をいくつ置いても重くならず、選ばれるかどうかは説明(description)の書き方で決まります。

チャットAIの「いつもの置き場」(GPT・Gem・Copilot のエージェント・プロジェクト)は、AIが選ぶ仕組みではなく、その中の会話でいつも使われる形です。

  1. 説明を「いつ使うか」と「使わないとき」で書く

    選ばれにくいdescription: 文章をきれいにまとめる。
    選ばれやすいdescription: 会議メモ・議事録を「決まったこと / 宿題(誰が・いつまでに) / 次回までに確かめること」に分ける。議事録以外の資料には使わない。
  2. 置き場所に置く

    登録する単位はフォルダごとです。SKILL.md だけを取り出しません。

    使っているAI置く所呼ばれ方
    Skills に対応している:説明を見て AI が自分で選ぶ
    Claude Code~/.claude/skills/<名前>/そのプロジェクトだけなら .claude/skills/自動。/名前 でも呼べる
    Codex~/.agents/skills/<名前>/そのリポジトリだけなら .agents/skills/自動。$名前 でも呼べる
    Claude アプリ設定の Skills の画面から ZIP をアップロード型を 名前 フォルダに SKILL.md として保存し、そのフォルダ1つだけを圧縮(Mac は右クリック →「圧縮」、Windows は右クリック →「ZIP ファイルに圧縮」)自動
    ChatGPT(Business・Enterprise など)Skills の機能から登録自動。@名前 でも呼べる
    Gemini(個人の Google アカウント)Skills の画面で、SKILL.md が入ったフォルダか ZIP をアップロード個人アカウントから順に公開中(18歳以上)。会社・学校のアカウントではまだ使えない自動(Google 公式ヘルプによる)
    対応していない・使えないとき:いつもの置き場に入れる(その中の会話ではいつも使われる)
    ChatGPTGPT かプロジェクトの指示に SKILL.md の本文、references はファイルでその GPT・プロジェクトで
    Gemini(会社のアカウントなど)Gem の指示に本文、references はファイルでGoogle は Gems を Skills として作り直す予定(公式ヘルプ)その Gem で
    Microsoft 365 Copilotエージェントの指示に本文(8,000字まで)、references は知識ファイルで.md は受け付けないので .txt に名前を変えるそのエージェントで
    Claude アプリプロジェクトの指示か、プロジェクトの資料にそのプロジェクトで

    使える機能はプランや会社の設定で変わります(2026-09-29 に各社の案内で確認)。

    HTML Visualizer を Claude Code に置くコマンド(Mac)

    置いたら、使う前に型の SKILL.md と scripts/ を開いて中身を確かめます。個人用の場所に置いた型は、どのプロジェクトからも使われます。

    ターミナルで1行(Codex は ~/.claude/skills を ~/.agents/skills に)
    git clone https://github.com/yamamonlab/html-visualizer ~/.claude/skills/html-visualizer

    .claude は隠しフォルダです。ファインダーなら「移動 → フォルダへ移動」で ~/.claude/skills を開けます。置いた型が出ないときは、Claude Code は /reload-skills、Codex は再起動します。最新版にするときは git -C ~/.claude/skills/html-visualizer pull。

  3. 選ばれるか、2回で確かめる

    1回目

    合う仕事を、名前を言わずに頼む

    型の「進める順番」どおりに返れば、選ばれている。

    2回目

    「使わない」に当たる仕事を頼む

    その型が使われなければ合格。外れたら説明を直す。

    到達点

    • 名前を言わずに頼んでも、合う型の形で返ってくる
    • 関係ない仕事では、その型が使われない
困ったとき

つまずいたら、この1手。

起きたこと次の1手
ふつうの要約が返る型が読めていない。リンクなら添付か貼り付けに替える。references まで渡したか確かめる
「読めません」と返るリンクの取得が止まっている。添付か貼り付けへ
貼ったら長すぎると言われるファイルで添付する(Copilot は .txt)。手順ガイドなら3回に分けてコピーもできる
GitHub が開けない会社のネットワークで止められている。別の端末でコピーするか、完成例で結果だけ確かめる
HTML がコードのまま出るチャットのプレビュー表示に切り替える。Agent なら保存した HTML ファイルをブラウザで開く
置いた型が呼ばれないフォルダ名と name が同じか、SKILL.md がフォルダの直下にあるかを見る。説明を実際の頼み方に近づける
関係ない仕事で呼ばれる説明に「使わないとき」を書く。似た型が2つあれば、互いの仕事を「使わない」に入れる
途中で止まる無料枠や長さの上限。完成例で確かめ、後で自分の環境でやり直す
約束

3つの約束。

業務の資料は、許可されたAIだけ

試すのは公開資料かダミー。迷ったら社内のAI推進担当に。

借りる型は、中身を読んでから

プログラム(scripts/)を同梱した型は、動かせる環境では実行されることがある。社内のルールで確かめる。

同じ名前は上書きしない

社内で配るときは、見せ合ってレビューしてから「公認の型」に。ときどき引き算する。